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松山市で「繋がるEHIMEプロジェクト」発足 チケット事前購入で地域の店を応援

「繋がるEHIMEプロジェクト・応援チケット」導入第1号となった、「ちいさな居酒屋おかえりなさい」(松山市二番町1、TEL 089-934-4545)

「繋がるEHIMEプロジェクト・応援チケット」導入第1号となった、「ちいさな居酒屋おかえりなさい」(松山市二番町1、TEL 089-934-4545)

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 新型コロナウイルスの影響で苦しむ地域の飲食店やサービス業を応援しようと「繋(つな)がるEHIMEプロジェクト」が発足。「応援チケット」を通じて店とファンをつなぐ活動を展開している。

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 プロジェクト代表を務めるのは、松山市内で11店舗の美容室を経営する「バッド・ボーイズ」(南梅本)取締役の菅原秀定さん。新型コロナウイルス感染拡大で売り上げ減少に直面している店を応援するため、前払い制のチケットを店ごとに発行し、流通させる取り組みをはじめた。

 発足のきっかけについて、菅原さんは「先の見えない自粛ムードの中、自身も心がすり減っていたとき、発起人の一人である友人のフェイスブック投稿で『繋がる高知プロジェクト』の活動を知り、これしかない、と心に衝撃が走った」と話す。

 「愛媛の大好きなお店を救いたい」との思いから集まったのは、小川雅人さん、新英輔さん、藤堂大樹さん、松波雄大さんの4人。税理士のアドバイスも参考にしながら、3月31日、プロジェクトを立ち上げた。

 「繋がるEHIMEプロジェクト」では、「応援チケット」を通じて、来店客数の減少に悩んでいる店と、「外出はしたくないけれど行きつけのお店には頑張ってもらいたい」「大好きなお店になくなってほしくない」と考える店のファンをつなぐ仕組みを提供する。

 プロジェクトへの参加を希望する店は「繋がるEHIMEプロジェクト」にチケットやポスターの発行を依頼。運営スタッフは、チケットやポスターを店に届けるとと共に、フェイスブックページでの情報発信を行う。応援したいファンは、店頭でチケットを購入。新型コロナウイルスの流行が落ち着いてお店を利用できるようになった時、支払いにチケットを使うことができる仕組み。

 菅原さんは「チケットやポスターの制作費をはじめとする運営費は、全て有志のボランティアが負担する。申し込みをいただいた店にはスタッフがチケットを配達するが、必ずマスクを着用し、消毒用アルコールを持参するなど感染防止にも配慮している。行きつけの店や応援したい店がある人は、店でチケットを購入して、応援の気持ちを伝えてほしい」と話す。

 「プロジェクトが支えるのは、経営における『心・技・体』のうち『心』の部分。現在の状況では、根強いファンがいる店でも、お客さまが店に来られない、応援したくてもできない、というもどかしさを抱えていることが多い。みんなで現状を共有し、応援の気持ちを伝えたり受け取ったりすることで、心が折れないための支えになれば」と菅原さん。

 「先行きの見えない状況の中、店のオーナーさんたちが一番悩んでいるのは、固定費など日々の運転資金の調達。この部分には、公的な融資制度などを活用して少しでも安心を得られるよう、情報共有も積極的に行っている」と話す。

 「繋がるEHIMEプロジェクト」フェイスブックページでは、チケット導入店の紹介のほか、導入の相談などを受け付ける。利用者の利便性向上を目指し、paypayなどスマホ決済サービスの導入準備も進めている。

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