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松山市の大倉商店が市内小中学校に次亜塩素酸水生成器提供 市内で無償配布も

松山市に無償貸与された次亜塩素酸水(酸性電解水)生成器を利用する、市内の小中学校教諭ら

松山市に無償貸与された次亜塩素酸水(酸性電解水)生成器を利用する、市内の小中学校教諭ら

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 松山市の大倉商店(南土居町)が11日、市内小中学校の一部登校再開を前に、校内の消毒などに使える「次亜塩素酸水(酸性電解水)」の生成装置を松山市に無償貸与し、感謝状が贈られた。

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 「次亜塩素酸水」は、塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電気分解することで生成する酸性電解水。2002(平成14)年に食品添加物の認可を受け、ウイルスや細菌の感染性を奪う殺菌剤として、食品製造の現場などで利用されている。

 新型コロナウイルス感染症流行の影響で消毒用アルコールが品薄な状況を受け、自治体や商業施設などで消毒用としての利用が拡大。4月15日には経済産業省の要請に応じ、製品評価技術基盤機構が新型コロナウイルスに対して有効な可能性がある消毒方法の一つとして「次亜塩素酸水」を選定し、有効性の検証を進めている。17日には経済産業省が、次亜塩素酸水の利用を、手指の消毒などにも一部で適用可能とする見解を示した。

 次亜塩素酸水生成装置の貸与を受け、松山市教育委員会教育長の藤田仁さんは「市内小中学校の一部再開が決定したが、コロナ対策に必要な消耗品は不足しており、アルコール消毒液はどこも在庫がない。このような状況の中、校内の消毒に安心して幅広く利用できる次亜塩素酸水生成装置の無償貸与には、大変感謝している。ドアノブや机、椅子などの消毒に活用し、児童生徒らが安心して過ごせるよう環境を整えたい」と感謝を述べた。

 大倉商店社長の大倉康弘さんは「人体や環境に優しく、効果的な殺菌方法である次亜塩素酸水に着目し、数年前から会社で生成装置の取り扱いを開始した。4月下旬からは『コロナウィルス流行の影響で必要な消毒液が手に入らない』という声に応え、地域の商店や事業所、保育園など、希望する施設に次亜塩素酸水を無償で配達している。学校でも、集団感染を防ぐための衛生管理に活用してもらえればうれしい」と話す。

 大倉さんは「次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)と名前が似ているため混同されることが多いが、次亜塩素酸水(酸性電解水)は、殺菌力が高い反面、有機物に触れるとすぐに分解するため人体に優しく、肌荒れなどが起こりにくいことが特徴。その一方で、1週間ほどすると自然に分解して殺菌力がなくなるため、常に新鮮なものを入手して使うように気を付けてほしい」と注意を呼び掛けた。

 大倉商店では当面の間、ドコママ愛媛(松山市南久米町549-1、TEL089-909-9855)で、毎週火曜日と木曜日の10時~12時、13時~15時に次亜塩素酸水の無償配布を行う。

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