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作家が在宅サイン会開催 道後温泉舞台の新刊発表で愛媛県在住の田井ノエルさん

「道後温泉 湯築屋シリーズ」第5巻、「神様のお宿は旅立ちの季節です」の表紙と、在宅サイン会のお知らせ

「道後温泉 湯築屋シリーズ」第5巻、「神様のお宿は旅立ちの季節です」の表紙と、在宅サイン会のお知らせ

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 愛媛県在住の作家、田井ノエルさんが、新刊の発売に合わせ、ツイッターの動画配信サービス「ツイキャス」を利用した在宅サイン会を6月13日に開催する。

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 5月14日に発売された田井さんの新刊は、松山市の道後温泉を舞台にした「道後温泉 湯築屋シリーズ」の第5巻「神様のお宿は旅立ちの季節です」。サインを希望する読者は、購入した本を出版元の双葉社(東京都新宿区)に送付し、出版社が取りまとめて作家宅へ転送。「在宅サイン会」でサインした本を、作者が直接読者宛てに返送する。

 開催の経緯について田井さんは「コロナ禍の中、作家である自分にできることは何かと考えたとき、読者の人たちに喜んでもらえることをしたいと思った」と話す。4月下旬には、作中の登場人物が着用している「変な日本語プリント」のTシャツを実際に作製してインターネットで販売。収益でマスクを購入し、地元の書店に寄贈した。

 在宅サイン会開催のアイデアは、店頭でのサイン会中止を受けて、地元書店の店長が発案したもの。当初は、書店で作家がサインする様子をライブ配信することなどを検討していたが、緊急事態宣言発令による書店の休業を受け「作者が自宅で、読者から送られてきた本にサインする様子をライブ配信する」という企画に変更。出版元である双葉社の協力を得て田井さんが個人で準備を進め、開催告知にこぎ着けた。

 在宅サイン会の開催について、田井さんは「周囲からは『労力がかかりすぎる、結果(応募数)が読めない、やりすぎでは』などの声もあったが、誰もやっていないことならばなおさらやる意味があると思った」と話す。

 「サイン会は、読者と直接話ができる、私自身にとっても楽しい時間。これまで地元開催のみだったので、在宅サイン会を通じて、全国の人と交流できることも魅力と感じている。個人企画とはいえ、出版社をはじめ多くの人のご厚意で実現できた。この機会を無駄にせず、参加してくださった方の心に残る時間にしたい」と熱意を語る。

 最新刊には、愛媛のおいしいものや観光名所などが数多く登場。JR四国が運行する観光列車「伊予灘ものがたり」も、物語の舞台になるという。

 新刊について田井さんは「物語は大きな節目を迎えるが、作中にはいつも通り、愛媛の楽しさやおいしさを山盛り詰め込んだ。今は愛媛に来られない人も、巣ごもりのお供として旅行気分を味わい、落ち着いた時に愛媛や道後温泉を訪れてもらえれば」と話す。

 「在宅オンラインサイン会」で受け付けるのは、「道後温泉 湯築屋シリーズ」の第5巻。希望者は書店等で書籍を購入し、返信用封筒とため書きの希望などを添えて、双葉社の担当係宛てに送付する。5月31日必着。5巻と同梱(どうこん)の場合は同シリーズに限り、既刊へのサインも行う。

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