伊予市の老舗「金沢製菓」(伊予市灘町)の伝統菓子「コメオコオシ」が10月5日から、全国の「成城石井」で販売される。
金沢製菓は3代続く老舗として県内では誰もが知る存在だが、コロナ禍の影響で売り上げが半減。コロナ禍で苦しむ老舗を助けようと、9月13日に全国ネットで放送された企画「全国から寄せられた201品中、成城石井の原社長が厳しい目で選りすぐった5品を全店で販売する」企画でベスト5に選ばれた。
コメオコシは米を圧力で膨らませた「ポン菓子」を、水飴や砂糖で固めた愛媛県の伝統菓子。今回取り上げられた「コメオコシ(うすしお味)」は、甘いだけでなく甘辛いお菓子を作ろうと、2代目の金澤憲一郎社長が1991(平成3)年に開発したもの。材料の米にも味にもこだわり、ようやく見つけた地元愛媛の酒米を使って、1951(昭和26)年の創業当時と変わらない製法で一つ一つ手作りしている。
ラインアップは、今回成城石井での販売が決まった「コメオコシ(うすしお味)」(454円)のほか、「黒糖」「いちご」「ゆず」味(以上486円)や、和風ポップコーンのような「トウモロコシ(黒糖味)」など。昔ながらの「純麦芽水飴」(2,700円)や、ユニークなフレーバーのパットライス(270円~)も取り扱う。
金沢製菓のファンだという松山市内の女性は「全国200以上の老舗の商品の中から選ばれたと聞いて『さすが』と驚いた」と話す。「愛媛にはいろいろな店のコメオコシがあるが、金沢製菓のものは袋から出すと空気中の水分と反応するのか、弾けるように小さな音がチリチリ聞こえて、まるでお菓子が生きているかのよう。イチゴなどのフレーバーや、うすしおの甘辛加減などもやさしく絶妙で、口に入れると米の粒がほろほろほどけて溶けるようになくなる。小さな部分にこだわり抜いて頑張っている地元メーカーの製品がこのような形で認められてとてもうれしい。これからも応援したい」と笑顔を見せる。
金沢製菓のポン菓子は同店のホームページのほか、手作り交流市場「町家」(米湊)、いよっこら(下吾川)ほか、伊予市近隣の道の駅などでも販売している。