国の補助事業を活用して愛媛・鹿児島・宮崎3県の養殖業を一般消費者に手頃な価格で届ける産地応援企画「海のごちそういただきますキャンペーン」が1月31日まで行われている。
キャンペーンを取りまとめるのは、養殖業販売支援協議会会長を務めるイヨスイ(宇和島市住吉町3)の荻原達也社長。「今回対象にした、ブリ、タマクエ、カンパチ、マダイ、スズキ、シマアジは、どれも一年でいちばん脂がのっていておいしい旬の時期。この機会に全魚種を食べてみてほしい」と笑顔を見せる。
対象となっている6種のうち「タマクエ」は、ハタの仲間のうち最大級の魚である「タマカイ」と、高級魚として知られる「クエ」を掛け合わせてイヨスイが商標登録した新品種。タマカイの性質を受け継いで成長が早く、短期間で出荷できるという大きなメリットを持ちながら、味わいはクエそのまま。皮のハリや脂乗りのよさ、弾力がありホクホクした食感で注目を浴びている。
同キャンペーンは農林水産省の「地域の創意による販売促進事業」に採択され実現したもの。養殖魚業界は、コロナ禍の影響によるお祝い需要の減少や一般料理店での消費減少などで大きな痛手を受けた。愛媛の県魚・マダイの昨年4月の出荷量が前年比4割減となるほか、卸売価格も生産原価ギリギリでの推移が続くなど深刻な影響が出ているという。
「漁業者が手塩に掛けて育てた養殖魚を、この機会にぜひ味わってほしい」と荻原さん。「消費拡大で産地を守るとともに、『地球に優しく、賢い消費・循環』の一つである養殖漁業への理解を深めるきっかけにもなれば」と期待を寄せる。
キャンペーンサイトでは、「トマト煮込み」「しゃぶしゃぶ」「スタミナ丼」「フライパンで簡単パエリア」「クリームシチュー」「かんきつサラダ」「クリームコロッケ&グラタン」など、簡単・時短でおいしい魚料理のレシピも紹介している。