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松山のサムライダイニングが15周年 「走る居酒屋」やキッチンカー検索アプリも

今年3月のイベントで新しく2台がデビューし、4台になったサムライトラック。「走る居酒屋」だけでなく、客席やDJブースなどとしても活躍する「動く空間」も登場した。

今年3月のイベントで新しく2台がデビューし、4台になったサムライトラック。「走る居酒屋」だけでなく、客席やDJブースなどとしても活躍する「動く空間」も登場した。

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 松山市内に居酒屋サムライダイニングやカフェなど7店舗を展開するオーヴエンタープライズ(松山市衣山2)が5月11日で15周年を迎えた。

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 市内の既存店は、床一面をソファで埋め尽くしたダイニング空間を持つ「茶ノ間」(一番町1)、階段席や人工芝で思い思いにくつろげる空間を提供するカフェ「mononofu.」(道後湯之町)などの7店。昨年4月にはフードトラック事業を始め、キッチンカーと、客の要望に応えて県内各所で出張営業する「走る居酒屋」の2つのスタイルで、時代のニーズに合ったコミュニケーションの場を提供し続けている。

 4月21日には、キッチンカーの出店場所をリアルタイムで検索できるアプリ「KITPIN(キッピン)」をリリース。30日にはテークアウトとデリバリーの専門店「サムライ宅急便」をオープンした。今後はフードトラック事業を拡大して、フランチャイズ化やレンタル、リース、製造販売などにも注力するという。

 「学生時代からいつか起業したいという思いを抱いていた」と話す大政大祐社長。大学卒業後、4年半の会社員生活を経て2001(平成13)年5月に広島県廿日市市で「居酒屋だいだい」をオープンした。

 「カフェブームの時代で、おしゃれな空間居心地のいい空間を楽しむ文化が生まれ始めていた一方、居酒屋は料理中心で空間づくりに力を入れている店は少なかった」と創業当時を振り返る。「最初の店を開くとき、カフェみたいなおしゃれで居心地のいい空間を楽しむ居酒屋を作りたいと思った。以来、コンセプトは一貫して『空間提供業』で、今も変わらない」と話す。

 「コロナ禍で既存店が受けた打撃は大きかったが、アフターコロナ時代の飲食店経営についてじっくり考えられる時間にもなった」と話す大政さんは、1号店が15周年を迎え、広島と愛媛に9店舗を展開するようになった2016(平成28)年ごろから、大きな時代の変化を感じるようになったという。

 飲み会スルー、忘年会スルーなどの言葉が生まれ、コミュニケーションの場としての居酒屋の役割が変わり始めていた時期。東京にウーバーイーツが進出して「家飲み」を楽しむ人が増えると同時に、飲食店には低価格競争の波が襲い掛かり「このままではいけないと新たな事業展開を模索しているとき、新しい事業の柱としてフードトラックの企画を温め始めた」と振り返る。

 「逆らえない時代の流れはあるが、決して迎合はしたくない。『走る居酒屋』をはじめとするフードトラック事業は、自分たちの大きな武器に成長した。これまで培ってきたものが結び付いて、好回転し始めているのを感じる」と手応えを語る。

 キッチンカー検索アプリ「キッピン」には、現在14台のキッチンカーを掲載。各店のメニューや出店予定場所を紹介するほか、近くで営業中のキッチンカーをリアルタイムで調べることができる。

 大政さんは「これまで店ごとにSNSなどで出店場所を知らせるサービスはあったが、キッチンカーのポータルサイト的な役割を果たすアプリはまだ他にない試み。利用者には知らない店やイベントと出会えるプラットフォームとして、出店者は集客アップにつながるツールとして活用してほしい」と利用を呼び掛ける。

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