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地域おこし協力隊が「ふたみおうち便」双海町のおいしさを全国へ

「ふたみおうち便」を企画した地域おこし協力隊の上田沙耶さん

「ふたみおうち便」を企画した地域おこし協力隊の上田沙耶さん

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 地域おこし協力隊メンバーの上田沙耶さんが、双海町のおいしいものを詰め込んだ「ふたみおうち便」を企画し、箱詰めから発送作業までを自ら担当して全国に送り出している。

ふたみおうち便

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 「今のイチオシはハモ」と上田さん。「余り知られていないが、伊予灘に面した双海町下灘の豊田漁港は全国一の水揚げ量を誇るハモの産地。特に今は『梅雨の水を飲んでおいしくなる』といわれるハモの旬。地元では当たり前のおいしさを、都会の人にも食べてほしい」と笑顔を見せる。手軽に食べてほしいがレトルト食品にはしたくない、と水揚げした新鮮なハモを地元の鮮魚店で骨切りし、冷凍便で届ける。

 もう一つの目玉商品であるミカンジュースは、上田さんが「農家の人たちとみんなで作った」と話す自信作。「極早生(ごくわせ)や甘平(かんぺい)、マドンナなど、味わいの異なるミカンの個性を伝えるために、ラベルも自分たちでデザインした」と上田さん。いとこの井上摩耶さんらと共にデザインを手掛けた数パターンのラベルを瓶に貼り、すぐにインスタグラムで人気投票をしたり、作業場に訪れた生産者の人たちの意見を聞いたりしながらパッケージを決めた。

 「双海最高。知れば知るほど好きになる」とあふれる双海愛を口にする上田さん。父の仕事の都合により3歳で愛媛を離れ、小学6年からは横浜に移り住んだ。双海は父方の「ばあちゃんち」がある場所で、毎年の帰省を楽しみにしていたという。

 「地元の人とも顔なじみで、会えばみんな自分の子どものようにかわいがってくれた。双海は、今まで住んだ他の場所と全く空気感が違う特別な場所」という上田さんが双海町の地域おこし協力隊に就任したきっかけは、大好きな双海が「だんだん寂しい町になっている」と感じたことだったという。

 東京の大学に通いながら、将来の進路を考え始めたタイミングで「双海でゲストハウスを開きたい」という夢を抱くようになった上田さん。2019年には、愛媛グローカル・フロンティア・プログラム(EGF)キャンパスアワードで「双海にゲストハウスを作り、町の人も外の人も自分も、全員を幸せにする!」というビジネスプランを提案。最優秀賞を受賞した。

 2020年には「ふたみ周遊セットプラン『ふたみロマンきっぷ』~通り過ぎる町から立ちどまる町へ~」のアイデアで、同じくEGFの優秀賞を受賞。昨年4月、大学3年になったタイミングで地域おこし協力隊に就任した。

 「大好きな双海を楽しく盛り上げたい。ゲストハウスやふたみロマンキップ、ふたみおうち便などの活動を通じて双海の魅力的な産品や場所、人と、旅行者や来訪者をつなぎたい」と、思いついたアイデアを次々と実行に移し、地元の人たちとも連携を深めている。

 「ふたみおうち便」で取り扱う「双海自慢のお中元」は「下灘の逸品セット(松・竹・梅)」「双海自慢の一箱(松・竹・梅・金・銀」の8種類で、価格は3,000円~8,000円。完熟ごくわせミカンジュース(1,500円)、双海の朱鱧(あかはも)しゃぶしゃぶセット(7,300円)などもそろえ、ホームーページで販売している。

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