伊予市佐礼谷の「黄色い丘」(伊予市双海町上灘)にドッグランが完成し、新しい散歩スポットとして愛犬家らの人気を集めている。
佐礼谷は、伊予市内から車で約15分の山あいにある人口500人ほどの地域。2012(平成24)年、同地区に新しいランドマークを作ろうと住民の松浦弘正さんが中心となり、地域団体「住民自治されだに」や地元大学の学生、ボランティアらが耕作放棄地を開墾して整備を始めた。
現在は、菜の花を中心にユリやロウバイ、コスモス、ミモザなど、四季を通じて黄色い花が咲き乱れる人気スポットに成長。秋には「旅するチョウ」アサギマダラが訪れる場所としても注目を集めている。
ドッグラン整備のきっかけは2020年夏、イノシシをはじめとする獣害から丘を守る「監視員兼マスコットに」と、松浦さんが秋田犬「菜々」を迎え入れたことだった。今年3月に菜々のお披露目会として開催した「黄色い丘の菜々フェスタ2021」には多くの愛犬家が犬連れで訪れ、以降、散歩スポットとして人気になっていた。
これを受けた松浦さんが「遊びに来てくれる犬に、もっと楽しんでほしい」と自費でドッグランの工事を発注。今年5月、丘の上の大きな木の周りを、シンボルカラーの黄色い柵で囲んだドッグランが完成した。
伊予市から訪れた女性は「景色が良く、街なかより涼しく、アップダウンのある丘の散歩道は人にもいい運動になる」と笑顔を見せる。「夏の時期、熱くなったアスファルトでの散歩は、人より地面に近いところを歩いている犬には辛く、やけどなどの危険もあると聞いている。ドッグランがあるので自由に遊ばせることもでき、愛犬のストレス解消にもなる。またゆっくり散歩を楽しみに来たい」とも。
松浦さんは「特に入場制限は設けていないので、24時間365日自由に使って」と利用を呼び掛ける。