松山商工会議所が7月12日から、第17回松山ブランド新製品コンテスト「NEXT ONE」の募集を行っている。
同事業の開始は2005(平成17)年。松山地域の優れた資源や技術・人材を生かした魅力ある新製品を発掘し「松山ブランド」として顕彰するとともに、製品の認知向上や国内外への販路拡大支援を目指している。
応募資格は「有料で販売されていること」「販売開始から原則3年以内の製品であること」「松山地域の資源を活用したものであること」など。松山商工会議所の会員を対象に募集する。同事業を運営する松山商工会議所経営支援部の担当者は「まだ広く知られていない松山の優れた加工食品や工業製品を愛媛から全国、世界へ発信し、販路拡大につなげたい」と話す。
受賞製品は「NEXT ONE」ロゴマークを表示できるほか、商工会議所が主催する地域イベントでの展示販売や、幕張メッセ・東京ビッグサイトなどで開催される大規模な展示出店などの支援を受けることができる。担当者は「中小企業が単独で大規模な展示会などにブース出展することは費用面でもハードルが高い。コンテスト受賞が、より広範囲に製品の魅力を伝えられるきっかけになれば」と期待を込める。
2012(平成24)年の第8回コンテストで愛媛県知事賞に選ばれたキシモト(東温市則之内)の「まるとっと」は、アジなど魚の干物を高温高圧処理して骨ごと食べられるように加工した製品。その後、地元工業高校の生徒の取材をきっかけに宇宙食採用を目指した開発が始まり、2020年3月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で干物として初めて「宇宙日本食」に採用され注目を集めた。
「NEXT ONE」受賞当時は子どもからお年寄りまで誰もが安全に食べられ、通常の干物に比べ20倍のカルシウムを摂取できること、骨ごと食べられ廃棄物を減らせることなどが評価されていた同製品。宇宙食「スペースまるとっと」(972円)では、宇宙飛行士のカルシウム補給に役立つ点や、なじみのある日本食が宇宙飛行士のストレス軽減などにつながる点などに同製品の長所が生かされた。
「今後も世界に羽ばたく松山ブランド製品が生まれれば」と担当者。応募締め切りは9月17日。「加工食品部門」は10月15日、「工業製品部門」は10月27日に、それぞれプレゼンテーションと審査を行う。