松山で11月14日・21日・28日の3回にわたり、松山のコワーキングスペース「マツヤマンスペース」(松山市千舟町5)で「大学生×県内企業ビジネスアイデアソン」が開催される。
「『地域のあったらいいな』を自分で創る」をコンセプトに開く同イベント。企画運営に携わる愛媛県の政策企画局地域政策課の雲峰隆光さんは「愛媛出身の学生はもちろん、進学をきっかけに愛媛に縁ができた学生も、卒業後は県外へ出てしまう人が少なくない」と話す。「地元で活躍する経営者や同世代の学生と地域課題をテーマにした深い交流を経験することで、将来『愛媛に戻りたい』と思ったり、リモートワークなどで働く場所を自由に決められるようになったとき、今回の経験がU・Jターンなどの足掛かりになったりすれば」と期待を込める。
「ワークショップは、地域で活躍する経営者や課題意識を持つ地域の学生がアイデアを出し合い、熱量の高いディスカッションを繰り広げられる貴重な機会。誰もが簡単にアクセスできるネットの情報などではなく、『自ら実際に対話を通じて体感したリアルな情報』を通じて視野を広げ、地域の魅力や可能性を再発見してほしい」とも。
イベントに参加する3社の代表は、いずれもU・Jターン、移住などの経験者。システム開発大手で、全国規模の大きな仕事と地域貢献につながる仕事の両方に携われる雇用の受け皿作りを目指す「システナ松山イノベーションラボ」(南堀端5)の児玉寛将さんは松山支社のラボ長として、今春松山へ移住した。KITA(大洲市大洲)の井上陽裕社長は総合商社での勤務を経験後、地元にUターンして「歴史的建造物を活用した観光まちづくり」に携わり、2021年にはグッドデザイン賞を受賞している。会場となるコワーキング「マツヤマンスペース」を運営する稲見益輔さんは新居浜市の出身。「愛媛を元気にしたい、人と情報のハブを創りたい」と2015(平成27)年、大阪から松山にJターンし、税理士として活躍しながら、コワーキングスペースを通じた地域コミュニティーの構築やイベント運営にも取り組んでいる。
ワークショップで取り組む課題は、「愛媛の産業をけん引するスタートアップを生み出す新しい仕組みを考える」「歴史的資源を活用した観光まちづくりについて、実際の古建築を例に考える」「愛媛に足りないこと、あってほしいことを話し合い、より良い愛媛の未来像について考える」の3つ。
参加者は課題について各企業にヒアリングを行い、グループに分かれて出し合ったアイデアをブラッシュアップ。最終回では解決につながるアイデアをグループごとにまとめてプレゼンテーションする。
「大学生にはあまりなじみがないコワーキングスペースという場所だが、リモートワークなど、新しい働き方の拠点として利用されている様子を肌で感る機会にもなれば。チームで練り上げたアイデアを元に、ビジネスコンテストなどにも挑戦してみてほしい」と雲峰さん。ワークショップをきっかけに新しい挑戦をする学生には、担当者やイベント運営に携わるえひめ地域政策研究センターなどがサポートも行う。
開催時間はいずれも13時~15時。参加無料。現在、大学生の参加を受け付けている。申し込みは10月29日まで、ホームページで受け付けている。松山市外から参加する学生には、松山市駅までの交通費を支給。