松山大学と、愛媛県内の農産物加工販売などを手掛ける「のうみん」(松山市下伊台町)がコラボし、愛媛県内産のブラッドオレンジを使った「えひめオレンジサイダーamanza(アマンツァ)」を開発した。
同大では学生・教員が地域産業や企業と連携し、地域や地域産業の活性化や、実践プロセスを通した学生の実用的知識の習得や社会人に向けての成長を推進する「社会人基礎力育成事業」を2009年度から行っている。今回の商品開発は、同事業の一つ「のうみん社プロジェクト」の一環で、商品は学生と同社が共同で企画・開発した。2009年には第1弾として、「松山産ライムサイダーPlim(プライム)」を商品化した。
同大経営企画課の西村さんは「プロジェクトを始めたころに比べ、学生も自分の役割を認識し、積極的に自分の意見を言うようになった。今では学生が主体となって動き始めている」と話す。
ブラッドオレンジは血のように赤い果肉が特徴のイタリア原産のオレンジで、近年の温暖化の影響で県内でも栽培されるようになった。ブラッドオレンジの果肉にはアントシアニンと呼ばれる色素が含まれている。アントシアニンは抗酸化物質として知られており、ブルーベリーにも含まれているポリフェノールの一種。
第2弾となる今回も、果汁の配合から、味、ネーミング、ラベルのデザインに至るまで、学生のアイデアを生かした。ブラッドオレンジの果汁15%、ソーダ水、クエン酸、糖類などを配合し、1本当たりブラッドオレンジ約1個分の果汁が含まれている。商品名は「愛媛」の語源となった古事記に出てくる伊予の国の神霊「愛比売(えひめ)」の意味である「愛らしい・愛らしい人」から。ブラッドオレンジの原産地であるイタリアで「愛らしい人」を意味する「amanza(アマンツァ)」から名づけた。ラベルは商品名に合わせ、レトロな雰囲気で、坊ちゃんとマドンナを意識したという。
今後は第3弾となる商品開発や、開発した商品をどのように売り、拡販していくかをテーマに活動していく。「自分たちで考えた商品が形になったことで、学生たちも達成感を味わえた。その商品が売れればより充実感が出てくる。これからも学生たちの力になっていきたい」と西村さん。「ブラッドオレンジの認知はまだまだ低い。商品を通して愛媛の新しいかんきつとして広めていき、地域活性につなげられれば」とも。
価格は300円。県内では、松山大学生協、えひめイズム、道後十五万石などでの販売を予定する。