一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめは、西予市明浜町で毎年開催されている地域の伝統イベント「かっぱMATURIサマーin明浜2025」と連携し、地元の水産資源や食に関する体験、海ノ民話「河童の恩返し」の上映会などを通じて、地域に根付く海との深い関わりを見つめ直し、次世代に継承することを目的に、「アケハマリンフェス2025~海と通じて地域の今昔を学ぼう~」を開催しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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開催概要 西予市明浜町で例年開催されている地域の伝統イベント「かっぱMATURIサマーin明浜2025」と連携し、地域に根付く海と人々との深い関わりを見つめ直し、次世代に継承することを目的に、地元の水産資源や、食に関する体験、海ノ民話「河童の恩返し」の上映会などを実施。
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日程 2025年8月3日(日)9時~20時
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開催場所 あけはまシーサイドサンパーク 大早津海水浴場周辺 ※メイン会場
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内容、参加人数
かご漁の見学と「日向飯作り」 10名
魚のつかみ取り体験 60名
海ごみ拾い&ビンゴゲーム 40名
海ノ民話上映会・アニメ監督沼田心之介さんによるトークセッション 300名
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協力 カッパMATURI実行委員会
イベントの開催場所である西予市明浜町は、複雑な海岸線が延びるリアス海岸に沿って複数の集落が点在し、急傾斜地を使った柑橘栽培などの農業やちりめん、真珠、マダイ養殖など水産業が盛んな地域です。そのような農山漁村において、地域に根付く海と人々との深い関わりを見つめ直し、次世代に継承することを目的に「アケハマリンフェス2025~海と通じて地域の今昔を学ぼう~」を開催しました。プログラムの1つ目として実施したのが、かご漁の見学と「日向飯作り」。漁港に集合した参加者10名は船に乗り込み、地元の伝統的な漁法の一つである「かご漁」の見学に向かいます。漁港を出て15分、ポイントに到着。漁師さんによると、ここ数日、赤潮が出ており、通常とは異なるポイントに仕掛けを入れたそうです。参加者は、前日に仕掛けた沿岸に近い水深10メートル程度の場所に仕掛けたかご状の仕掛けを順番に引き上げて行く様子を、船から間近に見学します。この日、かごに入ったのはマダコとカサゴの2種類。これまでには、一つのかごにたくさんのマダコが入ることもあったそうですが、ここ数年はなかなか厳しい状況が続いているそうです。見学を終えて調理室に集まった参加者は、かご漁で獲れたマダコ、カサゴとあらかじめ漁師さんが獲っていたマアジとケンサキイカを使って、地元の郷土料理である「日向飯作り」に挑戦。明浜町では、その日獲れた水産資源の切り身をだし?碵油と混ぜて、それらをご飯にのっけて「日向飯」として食べる食文化が根付いています。参加者は、昔と今の海の変化について考えながら、地元の海で獲れた水産資源を使った伝統料理「日向飯」を美味しくいただきました。
続いてのプログラムは、地元の水産資源のつかみ取り体験。体験が始まる前に、つかみ取りを通して学ぶ魚種の特徴について学びます。今回準備したのは、地元で養殖されているマダイ、シマアジ、スズキや天然魚のマアジ、ケンサキイカ、メジナなど約10種類。参加者はライフジャケットを着用し、実際の海の中に設置された特設のいけすの中で大きな網を使って魚を捕えました。中には、1キロを超えるサイズのマダイやシマアジもおり、魚が泳ぐ迫力やとげの鋭さなどを間近に観察することが出来ました。

最後のプログラムは、ここ西予市を舞台に2024年度に制作した海ノ民話アニメ「河童の恩返し」の上映会です。「かっぱMATURIサマーin明浜2025」のクライマックスである打ち上げ花火の前に、大勢の来場者が大型スクリーンの前に集まります。この日は、アニメ監督の沼田心之介さんとプロデューサーの柴田英知さんが来県。まずは、”カッパ”を題材にした全国の民話4作品を特別に上映。それぞれの民話ごとに、カッパの表情や人間との距離など地域によってカッパのキャラクターが異なっており非常に興味深い内容でした。続いて、本アニメの制作にも関わった地元の地域活動団体「高山よいとこな会」のメンバー3名が登壇。アニメ化の取り組みが始まる前にも、長年地域で続けてきた伝承活動についてお話しいただきました。いよいよ、「河童の恩返し」の上映です。地元の子どもたちの中には、既にアニメを見たことのある方が非常に多く、地域で積極的に活用されている様子が伺えました。上映会の終了から一拍置いて、海辺から大きな花火が上がり、イベントはフィナーレを迎えました。「アケハマリンフェス2025」を通して、地域に根付く海と人々との深い関わりについて考えるきっかけとなる一日となりました。

・かご漁で獲れたカサゴをさばくのは難しかったが、講師の寿司職人の方が骨の入る方向など丁寧に教えてくれて、美味しく食べることが出来た。お家に帰ってからも実践したい。
・魚のつかみ取りでは大きなマダイを捕まえることが出来た。背びれの鋭さにびっくりした。
・西予市の民話「河童の恩返し」のことは知っていたが、全国にはかっぱを題材にした様々な民話があり、それぞれでかっぱのキャラクターが違って面白かった。YouTubeで見られるとのことなので、帰って家族で見たいと思う。
<団体概要>
団体名称 :一般社団法人 海と日本プロジェクトinえひめ
URL :
https://ehime.uminohi.jp/
活動内容 :愛媛県内の海を中心とする食・文化・スポーツ・自然環境等の分野において、様々な
関係者と連携した活動のムーブメント作り、イベント開催、情報発信等を実施する。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/