松山城山頂本丸広場(松山市丸之内)で1月1日、若水くみや獅子舞・和太鼓の披露、書き初めなどのお正月イベントが開催された。
松山城の筒井門から太鼓門周辺は、松山城下で一番早く御来光を拝める場所とあって、元旦は例年多くの人でにぎわう。初日の出を見る来場者のために、ロープウエーも早朝6時から営業。参加者は本丸井戸の若水でちょうずを使い、冷たい早朝の空気の中で初日の出を待った。
晴天に恵まれた今年は、7時10分過ぎに山の稜線(りょうせん)から初日の光が差した。7時30分からは城山荘前で、冷えた体が温まる豚汁の振る舞いも行われた。
10時からは、本丸広場の太鼓櫓(やぐら)前に設置されたテントで、書き初めを体験できるイベントが開かれ、観光客らが新年の抱負や縁起の良い言葉を思い思いに半紙につづった。
広島県から家族で訪れた吉本正彦さんは「ここ6、7年ほど、毎年、元日に家族で松山へ日帰り旅行をするのが恒例になっている。しまなみ海道で初日の出を見て、松山城に登り、ここで書き初めをするのが定番のコース。お城も見えて迫力のあるこの場所で書き初めをすると、心機一転気持ちが高まる。他の人の言葉選びや文字の書き方を見ているのも、いろいろな考えが伝わってくるようで面白い。毎年、書いた字を反省しては来年もまた来ようと楽しみになる」と話した。
3日まで本丸広場で、羽根つき・こま回しなど昔ながらの正月遊びが楽しめるようにしたほか、お伽(とぎ)座による伊予(いよ)弁の昔語りや、松山検番の芸者さんによる新春・お城の舞の披露、松山城志民の会による「長者ヶ平」の紙芝居なども行われ、お城のお正月に彩りを添えた。