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「この才能を、開花させたい」 愛媛県美術館で「有重麻由アート作品展覧会」

アート作品展覧会「mayutamago」を開催する、有重麻由さん

アート作品展覧会「mayutamago」を開催する、有重麻由さん

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 松山市在住で作品制作を行う有重麻由さんのアート作品展覧会「mayutamago」が7月12日~14日、愛媛県美術館(松山市堀之内)で開かれる。

 2018年10月に愛媛県が主催した「48時間デザインマラソン2018」で、総合プロデュース賞・金賞を受賞した企画。障がいのある人と地元クリエーターがチームとなり、大街道商店街の特設会場で2日間にわたって行われた「アート作品を商品に落とし込む」ためのアイデアを練り上げるワークショップで提案された。

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 作品を制作した有重さんは、松山市在住の26歳。2歳の頃に知的障がいや言語機能障がいが発覚し、体の弱かった有重さんは、母親の勧めで小学生の頃から絵画教室に通い始めた。絵画や造形など、さまざまな手法や材料を使って作品制作にチャレンジしており、6月7日にオープンした愛媛県障がい者アートサポートセンター(松山市道後町2)にも、麻由さんの立体作品が展示されている。

 有重さんの作品の商品化に挑んだクリエーターは、松山市内でデザイン事務所「シンプル」(松山市祝谷2)を経営する正岡昇さん。企業のブランディングやネーミング、パッケージデザイン、ウェブ・動画制作などを幅広く手掛けている。

 展覧会開催までの経緯について正岡さんは「有重さんの絵は、既に『アート』として完成している。デザインマラソンの会場で有重さんの作品を展示していた際に、通り掛かった人から『すごいね』『売ってほしい』などと声を掛けられたことがきっかけになり、アート作品を使ってプロダクトを作る『モノ』デザインではなく、展覧会を開いてデビューさせるという『コト』のデザインとして、展覧会の企画を提案した」と話す。

 「有重さんの作品は明るくて躍動感があり、生きる元気をもらえる。細かく描き込まれた作品にちりばめられた、彼女の世界観も魅力。障がいを持つ方のアート作品の活用は、デザインの力が非常に生かせる分野だと感じている。福祉作業所で麻由さんは給料をもらっているが、作品が活用され、お金として本人に還元される仕組みを作ることもとても重要」とも。

 展覧会のタイトル「mayutamago」は、麻由さんの母親の有重記子さんが「一人でも、殻を破っていけるように」との思いを込めて付けた。

 記子さんは「今回の展覧会が1回きりの思い出で終わるのか、それとも今後も続く取り組みになるのか今はまだ分からないが、少しでも子どもが前に進めるように、不安を持ちながらも見えない未来を見据えながら進んでいきたいと思っている」と話す。

 会場は愛媛県美術館南館2階ギャラリー7。開館時間は10時~17時(14日は16時まで)。入場料は一般=500円、障がいのある人と介助者1人=各250円、中学生以下無料。

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