ITを活用した農業の新しい姿を紹介する「農業サポーターズ・ツアー」が7月31日、サイボウズ松山オフィス(松山市二番町3)で開かれる。
主催する「できる.agri」プロジェクトは2017(平成29)年8月に発足。代表を務める、ルートレック・ネットワークス(神奈川県川崎市)社長の佐々木伸一さんが、農業が抱える課題をITの力で解決するには、異業種企業間の連携が必須であると痛感したことをきっかけに立ち上げた。
同社を含む9社で発足した「できる.agri」プロジェクトには、マイクロソフト(東京都港区)やCAMPFIRE(東京都渋谷区)、神奈川県川崎市などの自治体をはじめ、現在20社が参画している。参画企業の業務内容は、AIを活用したかん水施肥システムや、鳥害獣対策、農産物の受発注システムのほか、6次産業化を目指す農家を支援するマーケティングやコンサルティングサービスなど多彩。
プロジェクトでは2017(平成29)年11月から農家などを対象にセミナーを開いてきたが、2019(平成31)年3月、ITを活用した農業の新しい姿や、生産者が抱える課題解決のヒントを全国に伝えることを目指して、日本各地を回る「農業サポーターズ・ツアー」を始めた。
これまで北陸・中部・九州の8カ所で開いてきたツアーを、7月31日に愛媛県松山市、8月1日に香川県三豊市、2日に高知県高知市の四国3県で行う。
当日は、生産者自身が日頃抱えている、やりたいこと・困っていることを解決するためのトークと相談会に加え、自分に適したITの活用方法を習得できるワークショップも開催。「勉強になった」で終わるのではなく、個々の課題を明確化し、「自分はこれをやればいいのか」など具体的な解決策を、参加者と二人三脚で発見することを目指す。
佐々木さんは「多くの農家が『休みが取れない・収入が安定しない・体力的にきつい』など、さまざまな不安や悩みに直面しており、それが『新しい農業の担い手がいない・地域社会を維持できない』という問題につながっていると感じている。農業は、新たな投資による失敗が1年間の売り上げに大きく響くため、保守的になってしまうという事情がある。ITには、農家が抱えるさまざまな問題を解決する力がある。農家の課題を解決し、農業にパラダイムシフトを起こすため、ICT、IoTの具体的で現実的な活用事例を、まずは知ってみてほしい」と熱意を語る。
開催は17時~20時(開場は16時45分)。ホームページから参加申し込みが必要。問い合わせは「できる.agri」実行委員会楠橋さん(TEL 080-4379-4091)まで。