新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指して、愛媛県が中小企業を対象とした独自の補助金交付制度を創設し、7月30日、受け付けを始めた。
テレワークの導入にかかる費用については、厚生労働省が「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」を設けているが、今回は国の助成金への上乗せと、国の制度で支援対象外となっていた取り組みについても県独自の支援(最大60万円)を行う。
愛媛県が独自に支援対象とするのは、シンクライアント以外のパソコン、タブレットなどの「通信機器レンタル料(リースを含む)」と、助成金の申請書作成を社労士に依頼した場合に必要となる「国助成金申請書類作成等に係る経費」の2項目。10万円を上限に、合計額の2分の1を支援する。厚生労働省の助成対象となっている「テレワーク用通信機器の導入(購入を含む)・運用」ほか5項目についても、50万円を上限に国から助成された額の6分の1を支援する。
愛媛県労政雇用課の担当者は「国の『テレワークコース』では、大規模なサーバなどを導入して利用するシンクライアント端末の費用が助成対象になっているが、中小企業では導入が難しい場合も多い。地元企業からは、テレワークで必要になるパソコンなどの通信端末導入の費用がネックになっているという話を聞いており、愛媛県独自の制度で補助対象に加えた」と話す。「国の助成金申請にあたり、社労士などに申請業務を委託する会社も多い。中小企業にとって負担になってしまうこれらの費用も、県の支援で補ってもらえれば」とも。
同課では「国の助成金は、成果目標などが設定されていてハードルが高い面もあるが、働き方改革にきちんと取り組む事業者をバックアップする制度。テレワークをはじめとする多様な働き方が可能になれば、産前産後の女性、疾病を抱える人、障がいをお持ちの働く人の支援にも活用することができる。国の助成金に加えて愛媛県独自の制度を活用してもらうことで、コロナ対策とともに働き方改革を進めるきっかけにしてほしい」と活用を呼び掛ける。
愛媛県の「新型コロナウイルス感染症対策テレワーク推進事業費補助金」の受け付けは2021年1月31日まで。国助成事業「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」に申請のうえ、テレワークを導入する中小企業が対象。
詳細は愛媛県のホームページで確認できる。問い合わせは愛媛県の労政雇用課労働政策グループ(TEL 089-912-2500)まで。