AIやIoT技術を活用し、愛媛県立とべ動物園・えひめこどもの城・愛媛県総合運動公園の3施設が一体となって新しい魅力を発信する「とべもり」を盛り上げるためのアイデアソンが3月20日、行われた。
同エリアでは3月13日、動物園(伊予郡砥部町上原町)とこどもの城(松山市西野町)をつなぐ全長730メートル・四国最大級の「ジップライン」がグランドオープン。自然に囲まれた隣接する3施設をより楽しめるよう、「笑顔つながるアドベンチャーゾーン・はじまりの森」をキャッチフレーズに、「とべワンダーフォレスト(とべもり)」の新呼称で新しい魅力の発信を目指している。
オンラインアイデアソンには県内外から13人が参加。AIやIoTを活用した各施設の課題解決や、利用客により楽しんでもらうための仕掛けづくりについて話し合った。
参加メンバーは、エンジニア、経営者など多彩。「アイデアソンを通じて交流を楽しみたい」と海外からも1人が加わったほか、ご当地プロレスとして人気を集める愛媛プロレスからも、レスラーの石鎚山太郎さんと広報担当の田中えり奈さんが参加した。
3施設が提出した共通の課題は「土日の駐車場混雑問題解消と、平日の施設稼働率向上」。参加者らは3チームに分かれてアイデアを検討し、「面白さ」「実現可能性」「実現した時のインパクト」を基準に、参加者による投票で審査が行われた。
1位に輝いたアイデアは「平日に『こどもの城』で、学校行事として活用できるプログラミング教室を行う」アイデア。新しい学校教育の課程にプログラミングが取り入れられたことに着目し、「こどもの城でラジコンレース」「運動公園で歩数カウント対決」「動物図鑑を作る」など、とべもりの各施設を生かしたプログラミング教材案を提案し、高い評価を受けた。
他チームからは「ジップラインに乗った人が見ることのできるプロジェクションマッピングコンテンツの制作」や「アプリ『とべもりナビ』の機能を強化し、駐車場空き情報の可視化やゲーム要素を加える」「愛媛プロレスのレスラーをキャラクターとして発信し、アプリを盛り上げる」などのアイデアも。
イベントを主催した愛媛県産業創出課の重松朋孝さんは「参加者が熱心に話し合いを繰り広げている姿に感動した。5分間のプレゼンテーションに皆さんのアイデアが凝縮されており、もっといい愛媛、もっといい施設になるための大きな原動力になると感じた」と講評した。
アイデアソンの運営を担当したプライサー(松山市久米窪田)の西城貴史さんは「海外在住の人が参加するなど、オンライン開催のメリットを感じるアイデアソンだった。今回提案されたアイデアは各施設にフィードバックするほか、愛媛県の各担当課にも共有する。実現に向けて検討し、とべもりの魅力アップにつなげたい」と今後に向け期待を寄せる。