愛媛大学耳鼻咽喉科の医師が投稿した、診療科の特徴をラップで解説する動画「ラップでわかるYO!耳鼻咽喉科」がSNSなどで話題を呼び、公開から1カ月半で7600回以上再生されている。
愛媛大学病院の先生が制作『ラップでわかるYO! 耳鼻咽喉科』
動画を制作したのは、愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科学教室の医師で助教の三谷壮平さんと高木太郎さん。同教室の羽藤直人教授から「研修医や医学生向けの耳鼻咽喉科勧誘Youtube動画を作ってほしい」と依頼を受け、2人でアイデアを出し合って制作に取り組んだ。
「依頼を受けてどんな動画を作ろうかと考えていたとき、オリエンタルラジオの藤森慎吾さんがYoutubeに投稿しているラップ動画を思い出した」と話すのは三谷さん。堅い雰囲気になりがちな大学病院の紹介動画に「ラップ」の要素を取り入れることが決まり、教室に所属する医師やスタッフなどに出演を依頼して写真を撮影、その素材を元に高木さんが動画を制作した。
楽曲制作は、スキルマーケット「ココナラ」で出会ったクリエーターチーム「office I town」に依頼。勤務の合間を縫って1カ月ほどで歌詞の原案と動画を制作し、2月23日にYoutubeに投稿した。
SNSには「面白いYo!わかりやすいYo!」「会社紹介にも使いたいスタイル」「白衣の先生が真面目な表情でターンテーブルに向かっている絵がツボにハマった」などのコメントや、「耳鼻咽喉科といえば、風邪や花粉症でお世話になるもの、くらいの理解しかなかったが『感覚器とコミュニケーションの医療』『聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚、発声』など短いワードで素人にも耳鼻咽喉科がカバーする範囲の多様性が理解できて勉強になった」などの感想が寄せられている。
この動画は現在、日本耳鼻咽喉科学会が実施する「耳鼻咽喉科教育・育成功労賞2020」の耳鼻咽喉科勧誘動画コンペにもエントリー中。
高木さんは「コンペの結果発表は5月。金賞を受賞すると学会の公式Youtubeチャンネルに掲載され、賞金も授与されるので、せっかく作るなら全力でやろうと思い取り組んだ。受賞したら、賞金は若い医師や学生の育成のために活用したい」と意欲を見せる。
「若い方々が入ってくれると教室全体が活気づくし、将来の教室の発展を考えると、学生や研修医、若手医師の勧誘は重要なテーマ。動画を通じて愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室のアクティビティーの高さや雰囲気なども感じてもらい、全国規模で若手医師や学生に選んでもらえるようになれれば」と期待を込める。