松山の「南道後温泉ていれぎの湯」(松山市中野町、TEL 089-963-3535)に8月24日、四国初の焼き芋自動販売機が登場した。
商品は「ホット」と「クール」の2種類で、価格は190グラム(500円)と110グラム(400円)。低温貯蔵で糖度を上げた九州産のサツマイモ「紅はるか」を特許取得の製法で焼き上げ、再利用できるリターナブル缶入りで販売している。
導入のきっかけについて、同施設副支配人の上岡志保さんは「自販機の設置などを手掛けているグループ会社のNKY(三番町7)で新しい自販機を探しているとき、中矢孝則社長が出合ったもの」と話す。「企画から製造販売までを手掛ける農福産業(宮崎県日向市)は、焼き芋の生産加工や缶への封入作業を、障がいや難病などを持つ人が働く就労支援事業所で行って農福連携を基軸にした社会貢献を行っており、その理念に共感したことも導入の決め手になった」と話す。
ていれぎの湯では設置から5日間で100個以上を売り上げたという。自販機の導入を紹介する同施設のインスタグラムには「自宅からすぐ近くなので行ってみたい」「ていれぎの湯に行く楽しみがひとつ増えた」などのコメントが寄せられている。
「私が最初に試食したのは冷たく冷やしたクールタイプ」と上岡さん。「無添加の焼き芋だが、クールタイプのしっとりとした甘さは、洋菓子店で販売しているスイートポテトのようなおいしさ。ホットでそのまま食べるのもおいしいが、持ち帰ってオーブンで焼いてもらうと、しっとりした本格的な焼き芋を家庭で味わえる」と笑顔を見せる。「子どもからお年寄りまで多くのお客さまが訪れるていれぎの湯で、湯上がりのちょっとぜいたくなスイーツとして、ヘルシーな焼き芋を楽しんでほしい」とも。
三福グループでは今後、農福産業と技術提携して、サツマイモの栽培から焼き芋の製造販売までを同グループの就労支援事業所「きらら三福」に委託する計画で、地域での販売拡大を目指している。
「真空パックの焼き芋は1年の長期保存が可能で、保存食や非常食としても活用できる」と上岡さん。「利用者の健康的な食生活をサポートするとともに、障がいを持つ人に雇用の場を提供したり、賃金を向上することにもつなげていきたい」と熱意を込める。
焼き芋自販機は同施設入り口に設置しており、24時間購入可能。温泉の営業時間は6時~24時(23時札止め)。