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学生長期有償インターンマッチングサイト「COMPUS」、愛媛でも事業展開

新規事業についてアイデアを出し合う長期インターンシップの学生ら

新規事業についてアイデアを出し合う長期インターンシップの学生ら

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 中四国地方に特化した長期有給インターンのマッチングサイト「COMPUS(コンパス)」が9月1日、愛媛エリアでのサービスを始めた。

個人商店で長期インターンシップの採用に挑戦している「藤田酒店」

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 コンパスを運営するコンテンツクルー(岡山県岡山市)の藤田圭一郎社長は「地方都市で長期インターンを募集している企業は少なく、東京などの大都市に比べると10年以上遅れた状況だと感じている」と話す。

 「企業説明会の一環として行われる、採用活動の延長のような短期インターンなら地方にもあるが、長期インターンはほとんど実施されていないのが現状。多くの学生が諦めてしまうが、本当にやる気のある学生は、長期休暇を利用したり、時には休学して首都圏の長期有償インターンに参加したりしている。地元に受け皿を作ることで優秀でやる気のある学生の流出を防ぎ、新しい取り組みに積極的な魅力ある地元企業で活躍するきっかけを作っていきたい」と意欲を見せる。

 長期インターンは、在学中に就業体験をすることで実践的・専門的なスキルを取得し、社会で活躍する素地を養うための制度。1997(平成9)年ごろから日本でも本格的に行われるようになった。マニュアルに従って作業を行うことがメインのアルバイトとは異なり、企業が学生の成長にコミットする点、学生はKPIを設定し、ある程度の裁量を持って仕事に取り組む点などが特徴。

 長期インターンは、業務の切り分けがしやすいITスタートアップ系企業で行われることが多いが、「今後はローカルビジネスや個人商店などでも長期インターンを取り入れることで、大学生と『知名度は低いが面白い地元企業』の接点を作ることにも注力したい」と藤田さん。

 コンパスでは実際に、藤田さんの実家の「藤田酒店」で学生長期インターンを採用し、独自のデリバリー代行サービス「Fujita Eats」の顧客開拓や広報、SNS運用などを任せている。

 「初めて学生インターンの採用を検討する企業には、これまでの事例などを参考にコンサルティングも行う」と藤田さん。「例年、大学生の『行きたい企業ランキング』には名の知られた大企業が並ぶが、これからは特色ある地方の企業が『働いてみたい長期インターンランキング』に名を連ねるような時代を作っていきたい」と意欲を見せる。

 学生インターンの応募は登録制。企業の掲載は無料、費用は成功報酬型。応募や問い合わせはウェブで受け付ける。

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