約1年にわたり改装工事を行ってきた松山三越(松山市一番町3)の地下食品売り場に10月26日、「The Central Market」がオープンする。
プロデュースしたのは、松山市を拠点に活動するデザインスタジオ「NINO」(保免中3)と、「食と農を商でつなぐ」をコンセプトに掲げ東京都内を中心にスーパーマーケットや飲食店11店舗を経営する「福島屋」(東京都羽村市)。青果・鮮魚・精肉をはじめ、総菜店や専門店にも地域で活躍する企業や店をセレクトしている。
自社牧場で育成した牛や豚を素材にした総菜を販売する「YUBOKU(ゆうぼく) 松山三越 TCM店」や、旬の地産地消の素材を使う「和惣菜・地樂」、世界で親しまれている多様な使い方やおいしさを発信する「スパイスカレー&ディップ・森とスパイス」や、愛媛県で唯一のナチュラルチーズ専門店「チーズストール酪」などがフロアを彩る。
ナチュラルチーズの対面販売に携わって13年の経歴を持つ「チーズストール酪・松山三越 TCM店」の平井靖子店長は「市街地の中心部にある百貨店の地下食品売り場という立地を生かし、たくさんのお客さまに、ナチュラルチーズの魅力に触れるきかっけを提供したい」と話す。
同店は2020年3月、松山市三番町に1号店をオープン。店内のショーケースには世界から輸入した60種類以上のナチュラルチーズをそろえ、熟成度合などに応じて常に最高の状態で提供できるよう「繊細なケア」を行うという。量り売りやチーズセットの販売、多様なナチュラルチーズの個性を生かしたイートインメニューの提供に加え、同年10月からはチーズをより深く知り楽しむためのセミナーを毎月1回開催。「広く深いチーズの世界」を知ってもらうための拠点としてファンを増やしてきた。
売り場にはバーエリア4席も併設。同フロア内のキッチンスタジオでは、ナチュラルチーズのスペシャリスト「チーズプロフェッショナル」認定資格の対策講座も予定している。
「三越TCM店では、世界の定番チーズに加え、まだ大都市でも取り扱いの少ない国産のチーズを幅広く取りそろえていきたい」と平井さん。「日本でも北海道から沖縄までおいしいチーズがたくさん作られており、工房まで足を運ばないと食べられないものも多い。工房から直接買い付けを予定しているものもたくさんあるので、いながらにして『チーズで日本旅行』を楽しんでもらえれば」と話す。
同店のスタッフのうち矢吹瞳さんはホテルでの豊富な接客経験を、清水真里さんはワインインポーターの経歴を持ち、2人共「毎日買って帰って食べるくらい大好き」という大のチーズファン。SNSを通じて平井さんと交流を深め、三越TCM店でスタッフとして活躍することが決まった。
「10人いるアルバイトスタッフのひとりもチーズプロフェッショナルの一次試験に合格し、二次試験に向けて勉強に励んでいるところ」と平井さん。「私とは一味違うスペシャリストとして、安心して店を任せられる素晴らしいスタッフに恵まれた」と笑顔を見せる。
「三越TCM店では、店の前に飲食スペースも設けているので、隣のパン店をはじめ、他店で購入したものとチーズの取り合わせも楽しんでみてほしい。ショーケース内には珍しいホールのチーズも入荷する予定。まずは多種多様なチーズが並んでいる様子を目で楽しんでもらい、興味を持った方は三番町店でより個性的で深いナチュラルチーズの世界に触れてもらえれば」とも。
オープン記念として、日本と世界のチーズをセレクトした特別価格の福袋「酪袋」を販売。「グルメ酪袋」(1万800円)10個と「セレクション酪袋」(5,400円)50個、デイリーに楽しめるナチュラルチーズをセットにした「おたのしみ酪袋」 (2,700円)150個を用意する。
10月29日には、泡立つクリーミーなゴルゴンゾーラをベースに黒トリュフをたっぷり加えたチーズ「クレモーゾ・アル・タルトゥーフォ」も入荷予定。「目が飛び出すほど仕入れ値が高く、社長からなかなか許可が下りなかったほど」と平井さん。「三番町店に入荷した際には試食したお客さまが例外なく購入してくれた、自信を持って勧められる特別なおいしさ。日本にお目見えすることが滅多にない珍しいチーズもどんどん限定入荷するので、新しい出合いを楽しみに足を運んでいただければ」と来店を呼び掛ける。
営業時間は10時~20時。